三井ホームの躯体構造は、外回りを2×6で内部を2×4とした枠組み壁構法(ツーバイフォー)を採用しています。
枠組み壁構法は6面体構造として地震に強い構造ですが、同社ではマットスラブ、BSW、ダブルシールドパネルなどの独自の技術を加え、プレミアム・モノコック構法としています。
マットスラブとは、いわゆるベタ基礎の配筋量を通常よりも増やしたもので、BSW(ブロック・アンド・シームレスウォール)とは、耐衝撃性、耐火性、遮音性、そして防水性に優れた同社独自の外壁材です。
また、ダブルシールドパネルは、ビーズ法ポリスチレンフォームを構造用面材でサンドイッチしたパネルで、構造耐力と断熱を兼ね備えているものです。
三井ホームの耐震性はどうなの?
三井ホームのHP上では、40年以上、地震に対して全・半壊した同社の住宅がない、と公表していますが、過去40年には阪神淡路大震災や東日本大震災、そして熊本地震も含まれていますから立派な実績だと思います。
また、現行の建築基準法は、阪神淡路大震災の被害から2000年に改正されたもので、それ以前の三井ホームユーザーの住宅も含めて全・半壊ゼロはインパクトのあるものだと思います。
同社の住宅は、長期優良住宅に対応しており、同住宅の耐震基準は住宅性能表示制度の「構造躯体の倒壊等防止」の最高等級3を標準仕様としています。
この最高等級3とは、数百年に一度の大地震(阪神淡路大震災など)にも倒壊しない強度を等級1として、その1.5倍の強さを持つように設計されたものです。
なお、同社では実物大の耐震実験を行っており、震度7の揺れを2階建てで70回、3階建てで29回の繰り返し加振に耐えたと言う結果がでています。
これらは、住宅の長寿命化が進んでいるとは言っても、その間には起こり得ないだろう回数ですから耐震性能としては十分なものだと思います。
耐震性能をより向上させるものには、免震装置と制振装置がありますが、三井ホームでは免震システムM400と制震装置バックスをそれぞれに持っています。
免震装置では、地震で家が揺れても花瓶などの置物も倒れないほどに揺れを吸収するのに対して、制震装置では揺れを低減すると言う効果があります。
当然、効果の高い免震装置の方が高額になり数百万円にもなる上に、設置には建物周囲に十分な空きが必要になるなどの敷地条件も必要になります。
また制震装置には100万円ほどが必要のようですが、敷地などの取付け条件がないため、耐震等級以上の耐震性を求めるなら制振装置の方が一般的です。
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三井ホームの地震への影響、評判は?
三井ホームのHP上には、ユーザーの評価が紹介されており、12年前に同社で建てた家が、熊本地震で廻りが倒壊している中で何の被害もなく親戚の避難場所になった、というのがありました。
一方、14年前に建てた同社の家が、一部破損やひび割れなどの被害があったと言うのもありましたので、戸別の設計内容などが影響しているのでしょう。いずれにしても、同社が公表しているように、全・半壊の口コミ情報はありませんでした。
住宅の耐震性能は、その構造躯体の部材や構法による基本的な差はありますが、建築基準法ではそれらの差を踏まえた上で、必要な耐震性能を確保するように構造設計基準が決められています。
ですから、木造軸組構法の耐震等級3と木造枠組構法の耐震等級3は理論上では同じ性能となります。しかし、構造設計では現れてこない、施工性の良さや施工技術の差が実際の建物ではプラスマイナスに働き、耐震性能にも影響しているのが実情です。
つまり、腕のいい大工さんであれば、設計どおりの、あるいはそれ以上の耐震性能のある住宅となりますが、そうでない場合は設計時点の耐震性能を下回ることもあるのです。
このことを考慮すると、熟練大工さんの減少とも合わせて、施工に特殊な技術を必要としない、ツーバイフォー構法に優位性があるように思います。
ただし、いずれの場合でも施工管理が十分に行き届いていることが大事で、教育・指導や検査体制がしっかりしている大手ハウスメーカーに一定の安心感があるように思います。