これから家を探す人も、これから家を建てるハウスメーカーも、購入する側建てる側の双方が重要視しているのが「耐震性」という住宅性能。
いまや無くてはならない性能の最も大きなものと言っても過言ではなく、何よりも見ておかなければいけない部分になります。
ほとんど全てのメーカーがこの「耐震性」への取り組みを発表。メーカーの取り組みを数字で表した「耐震等級」という言葉も存在しています。
しかし全てのハウスメーカーが同じような耐震性能を確保しているのかと言われればそうではなく、メーカーごとに特色を表してるところが多いのも事実。
では本当に「地震に強い家」を建てるハウスメーカーはどこになるのか?この「地震への強さ」を表しているメーカーをランキング形式でご紹介します。
【5選】地震に強い住宅メーカーランキングを紹介!
各ハウスメーカーそれぞれで耐震性への取り組みの違いが現れているということは、耐震性への高い取り組み、つまり「地震に強いハウスメーカー」というものが存在しています。
ここでその「地震に強いハウスメーカー」を5つピックアップしてご紹介。それぞれのメーカーの地震への対策をご紹介します。
ヘーベルハウス
参照:へーベルハウス
箱型のマスコットキャラクターでお馴染みのヘーベルハウスからご紹介です。
ヘーベルハウスは「ハイパワード制震ALC構造」という独自の技術を使用した構造を基本に、他の特徴的なシステムを加えることで高い耐震性を発揮しています。
「ハイパワード制震ALC構造」では従来のフレームに掛かる負荷を1/6にしながら、自由な空間を使えるよう設計。
そこに制震フレームとして「ハイパワードクロス」を搭載。「ハイパワードクロス」は衝撃を吸収し逃がす、いわゆる制震デバイスとしての役割を持っています。
その他に搭載されている耐震性は「剛床システム」「鉄筋コンクリート連続布基礎」「ロッキング工法」が挙げられます。さらに軽量化されたコンクリート(軽量発泡コンクリート)を使用。
家を形作るフレームはもちろんのこと、床、基礎、外壁にそれぞれの耐震性を施し安心感のある家を作り出しているのがヘーベルハウスです。
基礎に至っては、一般の一戸建住宅なのに3階建てのビルに相当する強さに対応しているので安心です。
積水ハウス
参照:積水ハウス
積水ハウスでは鉄骨と木造で耐震性が異なるこだわりの技術を披露しているのが大きな特徴。
まずご紹介するのは木造の技術、「基礎ダイレクトジョイント」です。積水ハウスでは通常柱と基礎にある土台の部分を取り除き、ダイレクトにこの2つを繋いでいます。
これにより衝撃を直に逃がすことができ、中~大地震の揺れを1/5~1/15に抑えることが可能になります。
次に鉄骨の技術からの紹介です。鉄骨からは「シーカス」という制震デバイスが登場。
ただ衝撃を和らげるのではなく、「地震動エネルギーを熱エネルギーに変える」という部分に着目し高い耐震性を表しています。
そして鉄骨・木造の両方には「免震システム」が搭載。基礎となる部分に「免震支承」「免震オイルダンパー」が設置されています。
「免震支承」とは円状の受け皿を使用した免震システム、そして「免震オイルダンパー」は衝撃を減少させるシステムとなっており、いずれも高い耐震性を発揮するのに欠かせないシステムとなっています。
ダイワハウス
参照:大和ハウス
「繰り返し地震に強い家」と言い切っているくらい耐震に関してとても自信を持っています。
ダイワハウスには商品プラン「xevoΣ」というものがあり、ここでダイワハウスの特徴的な耐震性をよく知ることが出来ます。
商品の名前にもなっている「Σ」はダイワハウスが発表した耐力壁「D-NΣQST」にそのままの形として現れており、「Σ型」の形状がより衝撃を吸収する形となっているのです。
商品プランである「xevoΣ」と「D-NΣQST」はダイワハウスを代表するシステムであり、高い耐震性を発揮するのに必要不可欠な素材。
もちろんそれだけでなく、特別な免震装置である「パンダグラフ敷き減衰装置」を搭載。床下からくる衝撃の減少に大きく役立っています。
三井ホーム
参照:三井ホーム
耐震性の代表的なもので言えば「モノコック」が挙げられますが、三井ホームではこのモノコックのワンランク上となる「プレミアム・モノコック構法」を採用。震度7クラスの地震を60回耐えることが出来るほどの高い耐震性を発揮しています。
自由設計の要となるオーダーメイドは基礎からスタート。各住宅に合わせてコンピューターで計算、一つずつ丁寧に耐震性を確保していくのです。
その基礎となる部分には「超剛床ベタ基礎」という基礎を採用、負荷が掛かる箇所に合わせて強度を変える構造となっています。
外壁には「ブロック・アンド・シームレスウォール」を採用し、強度はもちろんのこと「耐火性」「遮音性」そして「防水性」も完備したものとなり、その名の通りシームレスな外壁となっているので見た目の美しさも確保しています。
これらを形作るのは「モノコック構法」という柱だけではない面での構造。家全体を面で囲むことで地震のエネルギーを分散・吸収し、より衝撃を抑えることが出来るのです。
一条工務店
参照:一条工務店
断熱性・気密性に定評のある一条工務店ですが、免震住宅の受注数が有名ななハウスメーカーさんを抜いて1位と耐震性にも高い評価が集まっています。
一条工務店の地震への取り組みはまず、「地盤調査」から始まります。ハウスメーカーでは珍しい「地盤調査研究所」を設置し、多くのデータと照らし合わせることからスタートするのです。
実際に施工が始まるとまずは高耐久を実現する基礎の工事から始まります。この基礎には地盤調査で得たデータを元に、その土地に最も適した施工を行うことで足元からの安全の確保に至ります。
住宅本体はモノコックを基本とした「ツインモノコック」を採用。床は「剛床」、土台には「無垢材」といった一般の基礎より幅が広くどっしりしたものを使用しているので、高耐久・高耐震が実現出来ます。
住宅カタログはもちろん、
・オリジナルの間取りプラン
・概算の見積書
・非公開含む土地情報
など家づくりに役立つ計画資料が無料請求できます。希望の条件で複数社の比較検討が簡単になりました。
地震・災害に強い家ってどんな家?
「○○構造」「○○システム」と各メーカーはこぞって特徴的な耐震性を発表していますが、そもそも地震・災害に強い家とはどんなものなのか、それを知っておく必要があります。
まずは基本となる部分の「地震に強い家」の特徴となるものをご紹介します。
地盤の強さ
家そのものへの対策も必要ですが、家を支えるのはその下にある「地盤」。多くのメーカーが家を建てる際に事前に地盤の調査を行い、脆弱性が見つかれば補強工事が行われます。
地盤は住宅の基礎を支える部分となり、ここにどれだけ強度があるのかも大事なポイントです。
垂直と横からの対処
上下と横、災害時にはどこから衝撃が来るか分かりません。これらの衝撃に対応した構造と強度が必要で、どちらか一方だけに特化していてはいけません。
また家の中に置く設備、人の重さも計算に入れることが必要。基礎はもちろん耐力壁を導入する際にはバランスを考えて設置しなければいけません。
バランス
家を建てる際には構造や設備の心配に加え「家のバランス」にも気を配らなければいけません。
分かりやすい例で言えば、1階よりも2階の面積が広くなると地震の際に他よりも大きく揺れることが考えられます。
こうしたバランスの取り方も地震や各種災害に対処したものでなければいけないのです。
新耐震基準
1981年以降に建てられた住宅は新しく定められた基準にのっとった住宅となり、高い耐震性を確保しています。
驚異とされている震度7程度の地震にも対応しているとされているので、年数を目安にするのも家選びのポイントになるでしょう。
木造、鉄骨、鉄筋コンクリート
基本的にはどの構造であっても地震や災害に強い家を建てることは可能です。
木造には施工のしやすさ、鉄骨には地盤の強さで効果を発揮、鉄筋コンクリートでは耐火性などそれぞれでメリットや最適な施工が異なります。
地震に強くない家を選ぶとどんなデメリットが起こる?
耐震性の確保は必要不可欠。ではこの耐震性に不備が見られた場合、つまり「地震に弱い家」となってしまった場合どのようなデメリットが浮かび上がるのでしょうか。
建物の損傷
デメリットとしてまず思いつくのは「建物の損傷」です。当たり前ですが、強度が低い・耐震性の低い住宅は揺れや衝撃に弱く、住宅はもちろん外構などにも損傷が発生してしまいます。
損傷で済めばまだ良い方で、損壊となると住宅に住むことすら危うくなります。
見た目だけの問題ではなく今後の暮らしにも影響するので、“避けておきたい”ではなく”避けなければいけない”デメリットとなります。
修繕費用の発生
建物が損傷するということは、その後安心して暮らすための「修繕費用」が発生する恐れもあります。
耐震性の確保をきちんと考えなかったせいで、本来なら防げるはずの比較的小さな地震で起こる損傷、それに対する費用のことを考えると頭が痛くなってしまうでしょう。
どうせ費用が掛かるなら、最初に安心感を買うという意味でも耐震性を確保しておくことをおすすめします。
まとめ
今ではほとんどのハウスメーカーで耐震性への高い取り組みが実行されており、基本的には大きく心配する必要も少なくなってきています。
しかし将来的にどんな地震が、どんな災害が起こるかは分からず、取り組みに対し過剰過ぎるということもないでしょう。
出来る事ならとことんこだわって耐震性の高い住宅を建てたいところ。
ハウスメーカーが多く存在しているので自分の好みの耐震性を探し出すのは難しいかもしれませんが、まずは上でも紹介している耐震性に定評のあるハウスメーカーを見てみるといいかもしれません。