ハウスメーカーの良さを見極めるために必要な要素は多々あり、「価格」「ブランド」「性能」と暮らす人によってその要素は異なります。
今回はその中から「標準装備」に着目し、おすすめのハウスメーカーをご紹介。ただハウスメーカーを紹介するだけでなく、そもそも「標準装備」とは何なのか、「標準装備」の理解無しで選んだ時に起こり得る問題点とはどんなものか、などについてお伝えしていきます。
そして「標準装備」と隣り合わせで存在している「オプション」についてもご紹介。
まずは最も基本となる「標準装備」と「オプション」についてをお伝えしようと思います。
標準仕様って何?オプションについても紹介
「標準装備」と「オプション」と聞けば、家探しをしたことのある人も無い人も何となく想像は付くでしょう。
言葉でも分かる通りのものではありますが、まずは基本情報のおさらいとしてこれらの設備をご紹介します。
基本中の基本ですが、しっかりと理解しておくことが必要です。
標準仕様とは
標準装備とはその名の通り、「標準で装備されている設備」のこと。多くの人がこのポイントをハウスメーカーを選ぶポイントとして見ています。
というのもハウスメーカーごとにこの設備は異なり、基本的な装備はほとんど同じながら素材や品質などで違いを見せるアピールポイントとしても存在しているのです。
しかしこの標準装備には注意点もあります。
標準装備は「家に無料で付いてくる物」として考えている人も多いのですが、実際には見積もりにはしっかりと料金が記載されます。
つまり「何も言わないでも最初から付いてくるけれど、料金は発生している」という物が標準装備になり、標準装備が豪華であればそれだけ初期費用が掛かってしまう、ということになるのです。
その点を踏まえた上で標準装備を見てハウスメーカーを選択する必要があり、時には妥協を考える時も出てきてしまいます。
オプションとは
標準装備が初めから付いてくる設備であるのなら、後から付けることができる設備、それが「オプション」ということになります。
標準装備はハウスメーカーにとっての基本の設備、しかしオプションは購入する側により任意で取り付けることができるのでここで自分だけのこだわりを発揮することができます。
もちろんここにも設備ごとの費用が掛かるので付け過ぎは注意が必要。
敢えてオプションは何も付けないという選択もできるのです。
標準仕様とオプションの内容を理解しないと危険?!
標準装備、オプションは家探しにおいて最も基本のシステム。しかし基本的過ぎてあまり理解しないまま相談するというケースも少なからずあり、後々頭を抱えてしまう人も出ています。
そんなことにならないよう、それぞれをしっかりと理解することが必要。次に紹介するのは理解しないまま前に進んだ時に起こり得る「危険」についてです。
予算オーバーを招いてしまう
既に上でもお伝えしている通り、標準装備のは無料で設備が付いてくる、というものではありません。
標準装備は見積もりにしっかりと反映されており、充実していればしているほど基本となる価格が上昇します。
つまり「充実の標準装備」を謳っているメーカーを選択しても、相応の価格の住宅となり当初の予算から大きくオーバーしてしまう可能性も高いのです。その具体例をご紹介します。
高性能な素材を使用した調理台
調理台と一言で言っても多数の種類があり、形、素材などこだわりを詰め込めばキリがありません。
シンクを広く、傷が付きにくい素材を使用、と使いやすさにこだわった物は家事をこなす人には大きな憧れではありますが、その分価格も跳ね上がります。
お洒落なドア
玄関ドアという普段何気なく使っている所にもこだわりを発揮することができます。家によっては目立つ場所として存在し、ひと際お洒落に見せる事も可能。
もちろん性能にもこだわることができますが、やはりそれ相応の価格になってしまいます。
多機能な洗面所
洗面所は生活の要にもなる大事な設備。その分多岐に渡るカスタマイズが可能で、初めから多機能な設備がついた洗面所があれば便利です。
上にも下にも幅広く存在する洗面所は同様に価格の幅も広くなっているのでしっかりと確認しなければいけません。
不必要な物が付いてくる
あれば便利な設備が付いてくるのは良いのですが、全ての設備が必要かと聞かれるとそうではないと言えるでしょう。
例えば、特にアウトドア関係の趣味もないのに広い土間空間がある、和室を使う予定は無いのに和室がある、最初から必要としない設備まで付いてきてしまうのはもはやデメリットとも言えます。
もしも必要と感じれば後々付ければいいのです。そこで役に立つのがオプション。
必要な物を必要な分だけ設置することができるオプションを上手く使い、無駄な費用と無駄なスペースを使ってしまうのを避けなければいけません。
こだわりを反映させにくい
標準装備が充実しているということはつまり、初めからほとんど全ての機能が備わっているということ。
何も考える必要もなくフル装備で便利な生活を送れますが、その分注文住宅の目玉となるカスタマイズがしにくくなります。
「充実した標準装備」はつまるところ「規格住宅」となってしまい、せっかく自身のこだわりを発揮できる注文住宅の良さを活かすことができません。
自分だけの家を作り上げたいのなら、必要最低限の標準装備を持つ家を見るのがいいかもしれません。
標準仕様が充実=いいハウスメーカー?選ぶ際のポイントを3つ紹介
注意すべきポイントを見た後は、標準装備でのハウスメーカーの選び方をご紹介します。
既にお伝えしている通り、豪華なだけが良いわけではなく、自分に合った標準装備を探さなければいけません。
本当に必要な標準装備なのかしっかり検討する
自分が家に何を求めているのか、どんな空間が欲しいのか、本当に必要な設備を考えることが大きなポイント。
注意点の所でも伝えている通り、無駄に不必要な物がある状態は避けなければいけません。
その為には標準装備となる設備の確認も必要になり、それが自分に適したハウスメーカーの見極めに繋がります。
まずは自分に必要な設備をしっかりと確認することから始めましょう。
こだわりたいものが標準仕様かオプションか把握しておく
最低限の標準装備で事足りる、という人もいるかもしれませんが中には「どうしてもこの設備が欲しい」という人もいるはずです。
その設備が各ハウスメーカーの定めている標準装備に含まれているのか、その確認をしておかなければいけません。
どうしても必要な設備を事前に確認、メーカーへの相談時に担当となる方へ標準として備わっているか聞いてみましょう。
必要とする設備に優先順位を付ける、というのも一つの方法。まずは自分の暮らす家のイメージを確実にすることが大切です。
坪単価が高くないか確認する
標準装備が充実している、そこに自分の欲しい物が含まれている、という場合でも気を付けておきたいのが価格です。
特に「充実した標準装備」を売りにしているハウスメーカーでは注意が必要で、標準とは言え設備はいずれも見積もりに含まれています。
つまり、装備が充実しているところほど坪単価が高くなる傾向になるのです。
反対に必要最低限の標準装備で家作りを行っているメーカーでは比較的安くなっているところもあり、坪単価を含め価格帯も標準装備を知る手がかりになると言えます。
価格と標準装備、双方を同時に確認するのは手間になるかもしれませんが押さえておきたいところです。
標準装備で比較!ハウスメーカーを紹介します
ここでハウスメーカーごとに備えられている標準装備をご紹介します。
いくつかのメーカーをピックアップしそれぞれで比較、選んだ方からの口コミも同時に紹介します。
ウンノハウス
知名度の高さでは劣るハウスメーカー「ウンノハウス」。その知名度とは反比例して設備の充実さで注目されています。
ウンノハウスに備わっている標準装備は以下、
「断熱気密サッシ+Low-Eガラス」
「24時間換気システム」
「住宅用制震ダンパー MIRAIE」
「足元灯」
「メーターモジュール」
標準装備は一例ですが、メーターモジュールの採用や足元灯など快適に暮らすことにかけては高い性能を発揮しているのが特徴。
そんなウンノハウスの坪単価は”約50万円前後“とされています。
口コミ
「大きな特徴はありませんでしたが、安定した品質の設備を揃えている印象でした」
「標準装備で他より突出した物は無いようです。しかし自由設計にかなりの力を注いでいるのか、自分のこだわりが十分に取り入れられました」
一条工務店
一条工務店の標準装備は他とは少し異なり、契約を交わす前に自身の目で見ることが可能です。確認する場所はモデルハウス。
通常モデルハウスは各メーカーのオプションが盛り込まれた状態での展示となりますが、工務店ではモデルハウスも全てオプション無しの標準装備。
一条工務店を選択するならまずはモデルハウスを見に行くことをおすすめします。
そんな一条工務店の標準装備は以下、
「スマートキッチン」
「システムパントリー」
「スマートバス」
「高機能洗面台」
「全館床暖房」
スマートキッチン、スマートバスといずれの設備も高機能な物が揃っている一条工務店ですが、このメーカーの目玉となるのは「全館床暖房」。
全館という名の通り、部屋だけでなく廊下やトイレにも設置されているのでどこに居ても足元からの快適を味わうことができます。
またランニングコストも低いので常に安心して使うことができる設備です。
坪単価は”約55万円前後“、比較的安心の価格で高い性能の設備が期待できそうです。
口コミ
「とにかく床暖房が快適です。そして一条工務店は住宅性能も高いので、光熱費を気にすることなく使うことができます」
「キッチンや浴室が初めから高機能で、後々オプションを付けるつもりでしたがその心配もいりませんでした」
タマホーム
タマホームからは目玉商品「大安心の家」で標準装備の力が発揮されています。
キッチン設備には同ジャンルを得意とする「LIXIL」「タカラスタンダード」が協力するなど標準ながら高い性能の設備を確保。
その一例をご紹介します。
「リビング収納」
「人造大理石ワークトップ」
「ビルトイン浄水器」
「ハンドシャワー水栓」
「床下収納」
「大安心の家」はいくつかの設備から選択することになり、標準装備と言えども一定ではありません。
タマホームの坪単価は”約30万円前後“と業界でもかなり安く、ローコストでこだわりの設備を選ぶことも出来るでしょう。
口コミ
「タマホームはやはり価格の低さに惹かれました。それでも標準装備は十分なので、かなり安い予算で家を建てることができます」
「それぞれの設備をリクシルなどの有名メーカーが手掛けているのでとても安心。それでいて低価格なので文句の付けようがありません」
まとめ
「標準装備が充実しているハウスメーカー」という探し方をしてしまいがちですが、ただ充実しているだけでは危険。
設備と費用の兼ね合いが大事なポイントとなっているのが分かります。大事なのは「標準装備だけで判断しない」という点、そして事前の確認です。
いくつものハウスメーカーを調べることはかなりの手間になってしまいますが、それも良い家を探すため。時には直接メーカーへと相談するのも忘れてはいけません。