タマホーム(株)は、1998年に福岡県筑後市に設立され、九州地域から中国地域、関西地域、中部地域、そして次は関東以北から展開していき、本丸の関東を囲むように急速に事業拡大してきた企業です。
2007年には茅ヶ崎・多摩と関東に進出し、2013年にはついに東証1部への上場で、ほぼ日本全域を網羅するようにまでなりました。メディアでの宣伝活動も活発に行い、有名人の多用でTVなどで一度は見かけた人も多いのではないでしょうか。
年間着工棟数は、2015年に1万棟に迫る勢いでしたが、その後は少し落ち込み2017年に盛り返して9000棟近くまでになっています。
当初は、ローコスト住宅で売り出していましたが、住宅性能に求められる基本性能の向上などから、最近ではローコスト住宅のイメージから抜け出そうとしているような印象を受けます。
また、新築市場の縮小から、注文住宅の周辺事業の拡大へとシフトしているようにも感じます。
タマホームの特徴、メリットは?
タマホームのHPを見て感じるのは、いくつかの商品ラインアップを紹介しているものの、それらに特徴がない、もしくは見当たらないと言うことで、各商品コンセプトも非常に曖昧な印象を持ちます。
確かに、住宅に特徴的なコンセプトを持たせるのは難しいとは思うのですが、あまりにも曖昧にしすぎると、タマホームを選択する必要性を感じなくなるのではないでしょうか。
その中で、あえて特徴やメリットを口コミの中から挙げると以下のようになります。
コストに比較して仕様グレードがいい
これは、年間の着工棟数の多さが仕入れコストの削減に影響しているのでしょう。この数年でも年間8000棟前後の受注ですから、資材や住設備機器の仕入れでのスケールメリットは大きいと思います。
メートルモジュールを標準採用
タマホームの基本設計ではメートルモジュールを採用しており、メリットとしては同じ間取りでも20%ほど部屋が広くなることがあります。また、業者サイドから見た場合、仕事の伸びがよくなるため結果的にコスト削減にもなります。
長期優良住宅対応
タマホームでは、一部商品を除いて長期優良住宅対応を標準仕様としています。
長期優良住宅とは、3世代(90年)に渡って利用できる住宅を目指したもので、耐震性、省エネルギー性、劣化対策、維持管理などで一定の基準に適合している必要があります。
ただし、長期優良住宅に適合するように設計されていますが、公的に認定されるためには、審査機関に申請する必要があり、申請書の作成や認定などの手続き費用は別途となります。
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タマホームの評判、口コミは?
標準仕様がお勧め
価格に対して仕様内容がいいと言う口コミ評価があり、同じ価格帯であれば他社に比べて1ランク上の設備のようです。反面、オプションが異常に高いと言う評価もあります。
910モジュールにしたら変更料を取られた
タマホームではメートルモジュールを基本としていますが、限られた延床面積で必要な間取りを確保するためには、1000mmから910mmにスケールダウンして設計しなければならないことがあります。この場合、オプション扱いとなりモジュール変更料を請求されるようです。
契約を急がされる
ローコスト住宅の薄利多売のせいか、営業担当者一人当たりの担当件数が多いようで、十分な打ち合わせも行えないのに契約を急がされ不愉快だったと言う口コミがあります。
また、担当者も営業マン一人で、他社のように営業マンと設計担当者のペアではないそうです。これは、営業担当者がよほど優秀でなければ、ユーザーに不安を与えるものだと思います。
設計力が貧弱
基本プランや企画仕様を充実させているためか、フリープランに対する対応が遅い、希望する設計内容にならない、などの不満の口コミを多く目にします。これは人件費コストの削減影響が出ているような気がします。
値引きがなかった
比較見積りの中で、一切値引きしてくれなかった、と言う口コミがありました。一切の値引きなしと言うのは、その徹底ぶりに感心しますが、そこまでギリギリの見積り提示だとすれば理解はできますし、正直でもあると感じます。
評判・口コミのまとめ
好意的な口コミの評判としては、
・標準仕様がお勧め
があります。客観的にみて、評判・口コミで好意的なものは、残念ながらこの1点だけでした。これはこれで十分に大きなメリットだと思いますが、年間に8000棟前後の実績を持つ企業としては少し淋しいかもしれません。
否定的なものとしては、
・オプションが高すぎる
・設計提案力の不足と現場管理不足
になります。一般的にオプション価格は割高になるものですが、タマホームの場合は特に割高になるようで、その金額からは50%前後の利益確保しているようです。
また、施工管理不足によるトラブルも多くあるようです。否定的な口コミは、これらだけでなく、中には辛辣なものも見られますが、その多くはローコスト化の徹底と急激な事業拡大のよる弊害ではないかと思います。
上のような評判から、一時は根拠のない倒産の噂話も出ていましたが、2013年に東証一部上場して一定の信頼を得るようになりましたから、よほどのことが無い限り倒産はないでしょう。今後は、急激に拡大していく中で置き去り勝ちだった人材育成と事業の成熟に力を注いで欲しいものです。
いずれにしても、ローコストと価格以上の仕様を最大のメリットとして、タマホームを選ぶ場合は、オプションを最小にし、担当者には多くを望まず、設計もユーザーが自主的に行い、施工管理なども頻繁に現場訪問するなどが必要でしょう。
ですから、それらに自信が無い場合は、避けておいた方がいいかもしれません。