まだまだ2階建て住宅が一般的な中、3階建て住宅もまた一定の人気を集めています。
特に都市部などの土地の狭さが気になる場所では3階建ては重宝され、階層の多さで狭さをカバーしています。
しかし同時に耐震性への心配が出てしまうのは3階建てのデメリットとなる部分。
ならばこのデメリットを解消すればなんの不安もなく建てることが可能になるのではないでしょうか。3階建てデメリットを理解して不安の解消に努めましょう。
3階建ては揺れやすい?2階建て住宅とも比較!
まずは3階建ての揺れに関する不安を2階建てとの比較でご紹介。
実は3階建ての方が心配が少ない、なんてこともあるのです。
2階建て住宅に比べて、より高い構造性能が求められる
2階建て住宅に比べて縦に長く伸びることで、風などの影響を受けやすい3階建て住宅。
その分やはり地震にも弱いのではないか、という心配を抱える人も多いのですが実は3階建てには2階建てにはないものが必要とされています。
それが「構造計算」。
構造計算とは地震や風、さらには積雪といったものが住宅構造にどう影響を与えるのかを計算したもの。一般的な2階建て住宅にはこの計算は必要とされず、一方で3階建てでは必須とされています。
安全性をより細かく調べることになる構造計算、つまり3階建て住宅は2階建て住宅よりも安心感を得ることが出来るのです。
3階建てを建てる際にはこの構造計算の提出が義務づけられているので、より安心して暮らしたいという方にはむしろ3階建てをおすすめできる、ということにもなるのです。
耐震等級は満たしても、耐風等級を満たしていない3階建て住宅は多い!
今ではほとんどの住宅が高い耐震性を確保しているまでになり、耐震等級も多くのところで基準を超える「2」以上を取得しています。
3階建ても同様に耐震等級、そして構造計算により耐震性は非常に優秀な数字を得ていますがこれはあくまで地震に対する数字。
3階建てが最も影響を受けるのは「風」で、これには耐震等級ではなく「耐風等級」が必要となります。
実はこの耐風等級、3階建ての住宅では最高ランクとなる耐風等級「2」を取得しているところは少なく、地震よりも風に対して不安が募ることも多いのです。
地震にも風邪にも弱い3階建て住宅の特徴は?
こうして見てみると3階建ては「地震」「風」に対して非常に弱い性質を持つことが分かります。
これを踏まえて、3階建ての基本的な特徴を改めて確認してみましょう。
面積の小さい住宅
3階建て住宅を建てる人の多くが、土地面積の狭さを補うようにして設計しています。いわゆる「狭小住宅」として扱われ、都市部に多いのが特徴です。
狭い面積で縦に長い住宅、というのはバランスを取るのが難しく上に行けば行くほど風や地震の揺れに弱くなってしまいます。
今では構造計算により安全面は確立されていますが、上でも紹介している通り耐風性に関してはまだまだ不安が残るのも事実。決して価格だけで決めることは避けるようにしてください。
ビルトインガレージ
面積が小さく、住宅周りに十分なスペースを確保することが難しいことから住宅そのものにガレージを組み込む「ビルトインガレージ」が採用されることもあります。
1階の約1/3がこのスペースに充てられることもあり、それも踏まえて3階建てとすることで駐車スペースと居住スペースの両方をしっかりと確保できるのです。
しかし玄関に沿うようにガレージの入り口がくることが多く、どうして玄関側の強度が弱くなることも考えられます。ビルトインガレージを設置する際には強度を良く考えることが必要です。
セットバック
建物を「後退」させるという意味で使われるセットバック。3階建てでも同じ意味で使われていますが、こっちでは「住宅の上階を下階より後ろにずらす」という意味で使われています。
つまり横から見ると階段状になる構造で、この部分から光が取り込めるなどメリットも存在しています。
しかしこのセットバックにより力の伝達が上手くいかず、結果揺れが発生してしまうこともあるようです。この構造もまた風、地震との相性は悪く構造上の弱さを露見させてしまうことに繋がります。
オーバーハング
オーバーハングとはセットバックとは反対の構造となる、「上階が下階よりも前に出る構造」となっているもの。
ビルトインガレージと同時に使われることもあり、1階部分に屋根のような役割を持つこともあります。
しかし上階が前に出ることでセットバックよりもさらにバランスが悪くなり、強度にも問題が発生しやすい構造です。
セットバックよりも危険とされているので、導入を考えているのならこちらもよく話し合うすることをおすすめします。
3階建て耐震についての口コミ!
最後に3階建て住宅の利用者からの口コミを紹介します。メリット・デメリットとなる要素をいくつか紹介してきましたが、実際に暮らしてみてどう感じるのか、生の声ほど参考になるものはありません。
悪い口コミ
「まだ建てたばかりで今のところ問題はありませんが、今後年を取った時の階段の上り下りに少しの不安を感じています。これから建てるのであればエレベーターも検討してみるといいかと思います」
「土地面積が小さくなってしまったので3階建てなら問題ないだろうと考えましたが、やはり全体的に部屋の狭さを感じています」
「2階をリビングにし3階は子供たちの部屋、1階に自分達夫婦の主寝室としましたが主寝室への日当たりの悪さが気になっています」
「キッチンもトイレも浴室も全て2階に設置しましたが、水廻りを上階に置くのは少し不安が残ります。費用も予定よりも掛かってしまったので1階にすればよかったのかも、と後悔の文字も浮かんでいます」
良い口コミ
「2階にリビングを持ってくることになったので、必然的に毎日の家族の団らんが明るくなります。休みの日など、昼間に過ごす時はとても心地よく過ごせるはずです」
「土地面積の狭さが気になり不安になっていましたが、3階建てにすることでしっかりとそれぞれの部屋、広いリビングを確保できました。趣味の部屋を作る余裕もあったのでとても満足しています」
まとめると
3階建てとしての大きな特徴である面積や階段に評価が集まった印象です。
特に階段は当初「どうにかなる」と考えていたものの、毎日の積み重ねで苦労が見えてくるなど、使ってみてはじめて分かるポイントにもなっています。
面積に関しては狭さは感じるという意見と、設計で対処できる、という賛否両論あり、事前の賢い設計が今後の暮らし方に影響を与えることになるでしょう。
まとめ
3階建てという特殊な住宅はメリットとデメリットが分かりやすく表に出てくるので、はじめの理解が何よりも必要になります。
とはいえ大きなデメリットとなる部分は費用をかけ、性能を上げることもできるので安全面の確保を第一に考えるのであればしっかりと相談を重ねましょう。
上手に設計できればデメリットを感じさせない快適な3階建てが実現するはずです。