一戸建てもマンションも玄関というのは気をつかう部分。訪問客が来る時はもちろん、毎日目にして使用する場所は常に清潔にそして快適に保っていたいものです。
そのためにはある程度の広さが必要、でもただ広いだけじゃ駄目なのもまた玄関という空間の奥の深さです。
使い方、広さ、玄関の見るべきポイントを実際の口コミと共に見ていきましょう。
平均の玄関の広さってどれくらい?
玄関の広さは家庭によりそれぞれ。家全体の広さに合わせて設計されることがほとんどとなっていますが、まずは平均的な玄関の広さを見ていきます。
一般住宅
一戸建てなら自由に玄関の広さも設計できます。一般的には収納から土間、ホールを含めて「3畳」が平均とされていますが建物自体の広さにより大きく変化が見られるでしょう。
この「3畳」という数字は平均的なものですが、中にはなかなかこの広さの確保が難しいところもあるようです。
マンション
一般住宅とは違い、大きな自由度のないマンションなどでは一般的に「1畳」という広さが玄関の平均とされています。あらかじめ決められた広さの中で玄関を設計しなければならず、玄関を広くし過ぎると他の部屋に影響が出てしまいます。
玄関はどれくらいの広さが良い?口コミを紹介!
玄関の広さについては各家庭様々で、注文住宅となるとなお広さにバラつきが見られます。そこで各家庭、どの程度の広さを確保しているのか、生の声をご覧ください。
「土間とホールを各1.5畳ずつの計3畳を確保。それに加えて、駐車スペースから直に入れる出入り口も取り付けたので非常に便利です」
「玄関自体は2畳ほど、そこに棚や靴箱を設置しているので数字で見れば小さいかもしれません。でもしっかりと機能を果たしており、使う分には満足しています」
「基準のプランがホールを合わせて約2・5畳といったところでした。調べてみるとそれほど狭くも感じなかったのでこれで十分ではないでしょうか」
「3畳ほどの基本的な広さの玄関にしましたが、こだわったのは広さではなく空間です。玄関を吹き抜けにしたのでそれほど狭く感じません」
「都心から離れた場所に建てるということで、幾分住宅も広くなりました。それに合わせて玄関も当初6畳のプランを作ってもらいましたが、そこまで広くなくてもいいということになり結果的に今は4畳の玄関になっています」
口コミのまとめ
土間とホールで3畳前後が平均的とされているのは本当のようで、さらに細かく見てみると2~3畳あたりが多くなっているようです。「広さは確保したいけれど、いざ使ってみるとそこまで大きくなくても十分」という声も多く当初の予定からずれる家庭も見えました。
もう1つは玄関+αの要素を入れる家庭も見られたというところです。吹き抜けや別の場所に出入り可能な扉の設置など、各家庭で工夫が見られます。
見栄え良し?!広い玄関土間の使い方を紹介
口コミでも少し出てきた「土間」という言葉。靴を履いて入れる空間のことで、実はこの土間にこだわりを見せる「玄関土間」にも一定の人気が集まっています。
ただ出入りするだけの空間ではなく、いろいろな使い方が出来る玄関土間。この空間についてご紹介します。
自転車を置く
一般的には家の外に置くことの多い自転車。しかし中にはロードバイクなど高額な自転車を持つ人もいて、ただ外にぽつんと置くのが不安な人もいるでしょう。
既に家の中へと収納している人もいますが、玄関には入っても場所を取ることになります。そんな時に活躍するのが玄関土間。単純に広さを確保するだけでなく、ロードバイクを壁にかけるなど工夫を凝らして見栄えも良くすることも可能です。
作業スペースとして使う
物を置くだけが土間の使い方ではなく、今では多くの人が実践しているDIYなどの作業スペースとして使うこともできてしまいます。そもそもこういった作業は室内でやると壁を傷つけたり、床を汚したりする恐れがあり不向き。
土間なら多少の汚れも気にせず作業ができるので、こういった作業に向いたスペースと言えるのです。
仕事場として使う
1つの部屋としても使えるほどの広さを確保すればテーブルやイスを置くことだって可能です。中にはインナーテラスとして使用する人もいるなど、仕事場としても使えます。
無駄な物を置かないで、静かな空間として使えれば仕事が幾分はかどるかもしれません。
外庭とつなげる
庭と土間を繋げることで独特で開放的な空間が誕生します。土間はあくまでも室内、しかし庭は完全に室外、その2つの間に扉を設置すれば普段はそれぞれ独立した空間として機能します。
使い方としては開放的なダイニングとしてテーブルやイスを設置するのが王道となりますが、子供の遊び場としても安心して提供できるのではないでしょうか。
定番の収納スペース
玄関横に設置する土間収納はもはや定番の設備の1つ。収納が増えるというだけでなく、なるべく室内に持ち込みたくない物を収納するのにも便利です。
傘やベビーカーなど室外で使いなおかつ場所を取る物を置くのに最適で、土間の使い方としては最も基本的な設備になります。
【新築】玄関の間取りを考えている方必見!少しでも広く見せるコツは?
なるべくなら広い面積を確保したい玄関ですが、なかなか十分な間取りを設計するのは難しいものです。かと言って諦めるのはまだ早い、広さの確保が難しいのなら「広く見せる」ことで見栄えを良くする方法もあります。
玄関を広く見せるポイント、いくつかご紹介するので是非参考にしてみてください。
奥行より幅を広くする
玄関に入ってすぐ広く見渡せるように奥行を持たせるところも多くありますが、大事なのは奥行よりも「幅」になります。奥行を持たせればその分幅が狭くなりがちで、そうなると靴を並べた時に窮屈さを感じてしまいます。
訪問客が来た時など、土間に靴が並ぶ時には余計にその窮屈さを感じてしまうのでまずは幅を広くすることを心がけると良いでしょう。
ニッチや窓をつける
直接広さの拡張が難しい時はニッチや窓の設置がおすすめ。ニッチとは小物を置くためのスペースのことで、壁に空間を設けることで花や写真などの小物を置けるようになります。
靴箱の上に小物を置く家庭もありますが、天井までシューズクロークが設置してある場合も多いのでそういった場合はニッチを設けると良いでしょう。
窓の設置は直接スペースの確保には繋がりませんが、光が差し込むことで開放的な空間を作り出すことができます。暗いとどうしても閉塞感を感じてしまうので、窓などで明るく開放的な空間を作ることに努めてみるといいでしょう。
吹き抜けを設ける
幅や奥行、平面的な広さの確保が難しいなら上に空間を取ることを考えてみてもいいかもしれません。玄関上部に吹き抜けを設ければ、多少幅や奥行が無くても随分と開放的な空気を味わうことができます。
ただし吹き抜けは空間が広い分、温度の調整が難しいので性能を良くしておかないと光熱費などに影響が出てしまいます。
広さのある玄関を作ったときのデメリット、注意点は?
広い玄関で快適生活、といきたいところですがただメリットで溢れているわけではなく注意すべき点も存在します。広い玄関のデメリット、これもしっかりと頭に入れてこそ良い玄関が完成することでしょう。
温度調整が難しい
空間も広く、玄関ということもあり空気の出入りも頻繁に行われることで温度を一定に保つことが難しいのはデメリットの1つです。夏の暑い時期は涼しい風も入りやすいのですが、冬場になると煩わしさを感じることも少なくありません。
掃除が面倒
ただ広いだけなら掃除も難しくはないのですが、吹き抜けなどで特に感じられるデメリットです。
上部に空間を作り、開放的にするのは良いのですが、例えばその天井に照明をぶら下げる、高い位置に小物を配置する、などしてしまうとその部分を掃除するのが難しくなります。広い空間では小物の配置にも気を配らなくてはなりません。
他の部屋へと影響が出る
玄関を広くするということは他の部屋がその分狭くなってしまうということ。玄関という場所なので、そこまで大きな影響にはならないと思いますが他でもこだわりを発揮したいと考えているなら玄関との兼ね合いも考えなければいけません。
まとめ
玄関は真っ先に利用する空間、入り口が気持ちが良いとそこで暮らしている人も訪れる人も良い気分にさせてくれます。しかし基本的にはあまり大きくはならない場所で、大きなこだわりを発揮しない家庭も多くあります。
広ければその分快適ですが、ただ広いだけではいけません。そこにどんな物を置くのか、どんな空間として使用するのか、用途を良く考えればおのずと快適な玄関ができるはずです。