ハウスメーカーで多く採用されている鉄骨造。
その耐用年数はどのくらいの長さでしょうか。詳しく見ていきましょう。
鉄骨住宅の耐用年数は?寿命はどれくらい?
鉄骨住宅の寿命はどのくらいでしょうか。
税法上の法定耐用年数をもとに、みていきましょう。
法定耐用年数って何?
法定耐用年数とは、減価償却の元になる回数を決めた税法上の耐用年数のことで、実際に暮らし続けることができる年数とは異なります。
この法定耐用年数の残存年数によっては、融資が可能か不可能か審査対象となります。
軽量鉄骨の耐用年数(寿命)は?
鉄骨は、厚みによって種類が分けられており、6mm未満は軽量鉄骨となります。
軽量鉄骨の耐用年数は、さらに細かく分類されています。
鉄骨の厚みが3mm以下のものは19年、3mmを超え4mm以下のものは27年、4mmを超えるものは34年と定められています。
鉄骨の厚みによって、耐用年数に15年もの差が出てくるのです。
重量鉄骨の耐用年数(寿命)は?
鉄骨の厚みが6mm以上の重量鉄骨の耐用年数は、34年と定められています。
最も耐震性のある耐震等級3を取得していたとしても、コンクリートを使用していない鉄骨造の場合は、この耐用年数が延びることはありません。
鉄骨住宅の寿命を早めてしまう要因って?
より長く鉄骨住宅に住み続けるために、寿命を早めてしまう大きな原因をご説明します。
雨水の侵入!
雨水が侵入すると、鉄骨を錆びさせ、骨材の劣化や躯体のゆがみにつながります。
雨水は、構造躯体ではなく、外装材のおさまり部分が原因で侵入してくることが多いです。
外壁に貼り付けるパネル同士の接合部分のコーキングの劣化や、パネル自体のひび割れによって、雨水が侵入します。
建築物は、大きな面積で風を受けているので、実は常に揺れています。
特に上階のほうが揺れやすいので、外壁面から薄いが侵入する可能性は高くなります。
蟻の侵入!
シロアリの被害は、木造住宅だけだと思われがちですが、鉄骨住宅でも、被害を受けることがあります。
シロアリは、木造住宅の場合、土台や大引きなどの構造部材に被害を及ぼしますが、構造部材が鉄骨でできている鉄骨住宅は、木材で作られたフローリングなどの仕上げ部材に被害を及ぼします。
定期的なメンテナンスを怠る!
どの問題も、早期発見と適切な対策が大切です。
壁の内部や床下、小屋裏などは専門家に診断をしてもらい、意見を聞くことも大切です。
定期的な検査と適切なメンテナンスをすることで、鉄骨住宅により長く住み続けることができます。
鉄骨住宅|耐用年数で選ぶならどのハウスメーカーが良い?
耐用年数に着目してハウスメーカーを比較してみましょう。
1. へーベルハウス
主に重量鉄骨を使用し、長期保証を提供しています。
1、2年目、5年目と、10年目からは30年目までは5年ごとに無料で定期点検を行います。
重量鉄骨の34年の法定耐用年数を超える35年目から60年目までは5年ごとに有料で定期点検を提供しています。
特に、30年目には防水や外装の集中メンテナンスを行います。
2. セキスイハイム
軽量鉄骨を使用したプレハブ工法で高い製品精度と短い工期が特徴のハウスメーカーです。
5年目からの定期点検は、60年目まで無料で行う長期サポートシステムを提供しています。
3. 積水ハウス
引き渡し数No.1を誇るハウスメーカーです。
主に軽量鉄骨を使用し、引き渡し3か月後~25年目まで、定期点検を行うとともに、30年の保証システムを提供しています。
保証期間が過ぎた後も、有料で10年ごとの再保証が可能です。
ハウスメーカーは、それぞれ自社独自の構造・工法により、高い耐震性能や省エネ性能を実現しています。
それぞれの特徴を比較し、最適なメーカーを選びましょう。
あわせて読まれてる記事
鉄骨住宅とは
鉄骨造とは、柱や梁など、骨組みとなる部分に鉄骨を用いた構造です。
戸建て住宅では、ハウスメーカーが多く採用しています。
鉄骨には、軽量鉄骨と重量鉄骨の2種類があり、鉄骨の厚みが6mm未満のものを軽量鉄骨、6mm以上のものを重量鉄骨に分類しています。
軽量鉄骨は、戸建て住宅や小規模な店舗などに採用され、重量鉄骨は高層ビルなどの大規模な建築物に採用されることが多いです。
軽量鉄骨とは
軽量鉄骨は、柱の間に斜めにブレースと呼ばれる筋交いを入れることで、地震などの揺れによる変形を防ぎ、建物の耐震性を高めています。
この筋交いが入った壁を耐力壁と呼び、この耐力壁の位置や量は構造計算によって決定します。
将来的に間取り変更を伴うリフォーム・リノベーションを考えている場合、この耐力壁の位置は変更できませんので、十分注意しましょう。
重量鉄骨とは
重量鉄骨は、ラーメン構造と呼ばれる、柱と梁のみで構成される構造で建てられます。
柱の本数を減らすことができるので、広い空間を作ることが可能です。
住宅などの小規模な建築物にも採用できますが、建物全体の重量が重くなるため、地盤沈下を防ぐための地盤改良の必要が出てくる可能性があります。
費用についても、よく考慮しましょう。
まとめ
いかがでしたか。鉄骨住宅は、材料によって耐用年数が異なりますが、長く住み続けるためには、どちらもメンテナンスが必要です。
適切なメンテナンスをしながら、快適に暮らし続けましょう。