毎日しなければならない家事は、できるだけ効率よくおこないたいもの。ところが、間取りによっては非効率な動きで家事が不自由になることもあります。
理想の家事動線を叶えて、スッキリ快適に暮らせる間取りについてお話しましょう。
家事動線とは?メリットはある?
家でメインに家事をする人にとって、毎日数時間も家事に時間をとられてしまうことをご存知でしょうか?自分の時間ができないのは、家事動線に無駄があることも関係しているかもしれません。
家事動線とは、家事をおこなうときの動きを線で現したものです。毎日している家事をしていると、大体毎日同じ動きをしていることがわかります。
ほとんどの人は、効率よく動こうと思って行動します。しかし、間取りによっては無駄な家事動線が産まれてしまうこともあるのです。
例えば、キッチンとダイニングは接している家が多いものですが、これはキッチンで作った料理をすぐに食卓に提供するために大事なことです。
キッチンとダイニングが離れていると、食事をダイニングまで運ぶときも、後片付けをするときも余計な動きが必要になってしまうでしょう。
洗濯に関しても、選択をしてから干す場所まで遠いと家事動線が悪く疲れてしまいます。
干すときだけでなく、洗濯物を取り込んでからたたむ場所まで運び、そこから家族の衣料棚などにしまいに行くことを考えて間取りを決めるのが、無駄のない家事動線です。
このように家事動線は、無駄なく効率よく家事ができることを追求して快適に日常生活を送るために必要なことだといえます。
家事動線を考える際のポイントって?
家事動線を考えるときに大切なポイントについて、あげてみました。
動線はシンプルであるべし
家事動線は、シンプルにするのが最も有効です。つまり、無駄なく動けて家事が楽になるような動線を指します。
極端な例をあげれば、キッチンとダイニングがドアを隔てて離れていると、家事をする人が料理をしている最中やお皿などを持ってダイニングとキッチンを行き来しなければなりません。
ただでさえ忙しい料理中に、ドアを開ける手間も惜しく、手がふさがっていてドアを開閉できないということもあるでしょう。
家事をするときの日常パターンを振り返ってみると、効率のよい家事動線が必ず見つかるはずです。その最もシンプルな効率を間取りに活かすのが、キーポイントです。
作業スペースはつなげる
洗濯や掃除、炊事だけでなく、子育て中の場合は育児のための動きも加わります。目を離せない時期には、子供がいつでも見える場所で家事をしたいところでしょう。
そうもいかない場合は、子供を一日中おんぶしたり抱っこしたりして家事をしなければなりません。せめて、作業スペースがつながっていれば、家事が格段に楽になります。
玄関とキッチンが近い場所にあるなども、食材を買ってきたときに重い荷物をすぐにキッチンに運べて便利です。洗濯機のある場所と脱衣所が接していたり同じ場所にあることも、家事動線を良くすることになるはずです。
家事動線がしっかり考えられた間取りを紹介!
ここで、家事動線がよく考えられた間取りを見ていきましょう。
洗濯・収納が楽になる間取り
洗濯が好きという人もいますが、毎日のようにおこなう家事になると大概の人が面倒と感じます。洗濯をして干すだけならまだしも、洗濯物を取り込んでたたんでしまうことまで考えると、面倒になるのも当然です。
まず、洗濯物が出る場所は脱衣所です。脱衣所にためた洗濯物を洗濯機まで運ぶ家事動線は、限りなく近いほうがよいでしょう。
なぜなら、洗濯物が多い場合などは特に、運ぶのが大変だからです。洗濯をしたら、干す場所も洗濯機から近いほうが楽です。
また、洗濯物を取り込んでたたむ場所まで運ぶのも、一仕事です。洗濯物が多いときや大きな物を洗濯したとき、1階と2階を行き来しなければならなかったりすると階段から落ちないかという心配もあります。
さらに、洗濯物をたたんでから家族の衣類棚にしまうのに運ぶ必要があります。衣類棚のそばにたたむスペースがあれば便利ですが、洗濯物をたたむ場所に棚を置いておき、家族がそれぞれに自分の洗濯物を取りにくるというのでもよいでしょう。
子育て中のママも安心?!L字の水回り
水回りは、毎日何度も使用する場所です。キッチンやバスルーム、洗面所、トイレなどをL字型に配置するのもおすすめです。L字に配置しておくと、水回りの移動が楽なだけでなく、育児中のママにも安心というメリットがあります。
子供がトイレや洗面所、バスルームを使用するのがキッチンにいるママから見えることは、大切です。逆に、洗面所にいるママが、キッチンに行こうとする子供を見守ることもできるでしょう。
水回りをL字にするのは、より見通しをよくするためです。子供は、ママが何をしているかなどお構いなしにトイレに行きたがります。また、入浴前にトイレに行かせたいときに、ママの目の届く場所で誘導できるのは便利です。
L字の水回りにすると、死角が少なくなるのも特徴です。ほんのちょっと目を離した隙に子供が転倒したり、行かないでほしい場所に行ってしまうのは冷や冷やします。
水を出しっぱなしにしていないか、トイレの後に水を流したかなど、基本的なしつけもその場でおこないたいところです。ママにとって、L字型の水回りは効率よく動けるうえに安心も得られてストレスフリーな間取りになるでしょう。
L字型の水回りには、もう一つメリットがあります。それは、家族間のコミュニケーションがよくなることです。子供がそばにいれば何かと話しかけたくなりますし、子供もママがそばにいれば近づいてきてコミュニケーションを取りたがるでしょう。
逆に、目線の届かない場所に家族がいると、存在感すら薄れてきてしまいかねません。家族がお互いに視界に入る場所にいるということは、相手を強く意識することにつながります。
家事をする場所の多くは水回りになりますから、水回りをつなげて視界をよくしておくことが、いつでも家事をメインでする人と家族をつなぐ動線にもなるのです。
自然とコミュニケーションが生まれやすくなり、仲のよい家族関係を育てていくことができるでしょう。