マンションはもちろん一戸建ての住宅でもなかなかお目にかかれない「リビング階段」という設備。
その名の通り、リビングに設置する階段ですがただただ置けばいいというものではありません。
使い方を誤ればデメリットが大きく残ることになりますが、もちろんメリットだって存在します。
ではリビング階段を上手に使う、後悔しないように使うための対策にはどんな物があるのでしょうか。
リビング階段とは
まずはリビング階段の基本的な情報から。リビング階段とはリビングから伸びる階段で、2階へと続く階段として使用されます。
そのため、多くの住宅でリビング階段並びにリビングの吹き抜けが採用されており、開放的な空間を作り出すというメリットがあるのです。
たとえ少し小さめのリビングであっても、上部が吹き抜けとなるとそれだけ広さを実感できリビング階段は注目されることも多くなっています。
しかしメリットがあればデメリットもあり、リビング階段を導入した人の中には「後悔した」という声も少なからずあるようです。続いてその「後悔」の部分をご紹介します。
リビング階段は寒い?!後悔しないための対策・ポイントを紹介
リビング階段を導入した時に多く言われるのが「寒い」という言葉。吹き抜けとなる場合はもちろん、そうでない場合でもリビングと2階部分が繋がることで上手く温度調整ができなくなる事があるのです。
寒さはリビング階段のデメリットの1つで、後悔してしまうポイントにもなり兼ねません。せっかく開放的な空間を設計したにも関わらず、快適性を感じないのではあまり意味がありません。
しかし寒さが発生するのなら、その対策を行えば問題はありません。では寒さが発生する大きな原因を見てみましょう。
なぜリビング階段は寒いって言われる?
寒さが発生する原因はリビング階段という特徴的な空間のせいで、完全に部屋を仕切ることができなくなり温度を保つことが難しくなってしまうことにあります。
それに加え、「断熱性・気密性の低さ」や空間が広くなることによる「温めるまでの時間の長さ」もまた原因とされていましたが、現在では住宅自体の性能も比較的高くなっていることから少しずつ心配は減っているように感じます。
それでもまだ100%完全に「寒さ」を解消するには至らず、リビング階段を設けるには対策が必要とされているのです。
対策方法は?
対策方法はいくつかあり、問題解消は期待できます。気になる方は1つずつ確認し、実行に移すことをおすすめします。
断熱性・気密性を確保
これから家を建て、リビング階段の導入を検討している段階なら家自体の断熱性・気密性といった住宅性能を上げることで対策できます。
今では基本の性能がある程度の高さを見せているので、ひと昔前に比べると幾分対策も楽かもしれません。
シーリングファンの設置
寒さを感じるということはつまり場所により温度の差が見られるということ。吹き抜けとなっているリビングならシーリングファンを取り付けることで部屋の温度差を少なくすることができます。
家全体を同じ温度に
シーリングファンの設置と同じ意味ですが、リビングだけでなく家全体の温度差をなくすことでも対策は可能です。これには住宅性能と同時に家全体を温めるエアコンなどの設備も必要となります。
ロールスクリーン
上から下へと引くロールスクリーンを階段の登り口に設置することで、物理的に空気の流れを止めることも可能。光熱費もかからないため便利な方法ですが、上り下りの際に開く手間がかかります。
カーテン
ロールスクリーンの代わりにカーテンを設置することでも同じように空気の流れを止めることができます。ただしリビング階段が本来持つ外観を損なう恐れがあるので導入はよく考える必要があります。
リビング階段のメリットは?
寒さという悪い声だけに焦点を絞り紹介してきましたが、もちろんメリットだって存在します。リビング階段の気になるメリットは以下のようになります。
開放的な空間が実現
一般的には階段は部屋の外、壁の向こう側に配置されることも多くなっていますがリビングはそれが内側にくることになります。その結果視覚的に広く感じることができ、開放感を味わうことになるでしょう。
家族のコミュニケーション
2階を家族の部屋にしている住宅なら、自分の部屋に行く際に必ずリビングを通ることになります。必然的に家族間のコミュニケーションが生まれ、会話の絶えない家庭が実現します。
収納スペースとして活用
階段下はデッドスペースとなりやすい場所ですが、上手く活用すれば収納スペースとして役立ちます。リビングの収納を増やすこともできますが、改めて物を階段下へと移せればそれだけリビングもすっきりとするでしょう。
寒さの他にもある?リビング階段のデメリットは?
寒さを取り上げることの多いリビング階段ですが、実は他にもいくつかのデメリットが存在します。考えられるリビング階段の「寒さ」以外のデメリットを紹介します。
家族間のコミュニケーションが良くなるとは言い難い
コミュニケーションが増えるのは必然的なものですが、だからといって「良くなる」とは言い切れません。思春期の子供にはむしろ大きなデメリットとしても感じてしまうかもしれません。
光熱費の増加
寒さ対策を行うためにエアコンや空調といった設備をフル稼働させてしまうと、それだけ光熱費が増してしまう可能性も出てきます。そうした意味でも住宅そのものの性能を上げる必要が出てきます。
音が響きやすい
リビングの音、2階の音が双方に響きやすくなるのもデメリットの1つです。常に誰かの気配を感じられるのは親としては嬉しいところですが、静かな環境にいたい時などに影響が出てしまいます。
リビング階段の口コミ!
最後に利用者からの口コミを紹介しようと思います。良い声と同時に悪い声も紹介しますが、今後の対策の参考にもなるので是非目を通しておくことをおすすめします。
悪い口コミ
「見た目の豪華さもあり導入しましたが、暮らしはじめてから寒さを感じています。結局カーテンを設置することで落ち着きましたが見栄えは悪くなってしまったので残念です」
「吹き抜けじゃないタイプだったのであまり温度に関して心配していませんでしたが、冬場になると冷気が階段を伝って降りてくるので時折肌寒さを感じます」
良い口コミ
「今の家は昔のものに比べると性能も上がっていると担当の方から聞きました。暮らしてみても標準で付いているエアコンで十分快適に過ごせています」
「寒さに関しては寒冷地ということもあり不安視していましたが、対策のために床暖房を設置したので問題無く暮らせています」
「子供とのコミュニケーションに関する将来的な心配はありますが、今はまだ子供も大きくないので毎日挨拶を交わせることに安心感を得ています」
「メーカーとの相談時から寒さに関する心配を教えていただきましたが、全館空調を取り入れたおかげで今では心配も忘れて過ごしています。断熱性の高い住宅なので光熱費も気になりません」
まとめると
寒さに関する口コミが圧倒的に多いリビング階段ですが、意見が多いということはそれだけ対策も講じられているということです。
家を建てる前、建てた後、いずれも対策は可能ですが建てた後の対策は物理的なものになりやすく外観を損なう可能性もあるので注意が必要です。
建てる前から、寒さを考慮した設計を行えば外観も光熱費も安心できるものが仕上がる可能性が高くなります。
まとめ
リビング階段という見た目にもお洒落な設備は憧れの設備の1つと言っても過言ではありません。しかしその分上手な設計が難しい設備で、寒さを代表にデメリットが発生してしまいます。
対策を講じることで快適なリビング階段を設置することも可能、建てる前と後ではその対策も異なるのでまずは建てる前の入念な打ち合わせをおすすめします。