これから家を建てる際、まず最初に考えなければいけないものの1つに予算が挙がることでしょう。
予算はどこから算出されるのか、その目安となるものの1つが「年収」です。
自身の年収でどれくらいの家を建てることができるのか、どれほどのローンを組むことになるのか、年収1つで見る事のできるポイントはたくさんあります。
しかし年収はあくまでも1つの目安、実はそこまで気にする必要は無いという声も届いています。
家を建てる!適切な年収ってある?
家と年収は切っても切れない関係にあり、適切な年収とも言われるものが存在しています。
いきなりメーカー・工務店に相談し、年収に釣り合わない家の購入を相談するのは非常に危険。
できることなら相談に行く前に自身の年収と照らし合わせて家を見ておきたいところです。
どれくらいの年収があれば家を購入できる?
家の購入で動くお金は数千万円。どんなに安くしても1000万円以上は掛かってしまうのが現状です。
もちろんこの額を現金で全額支払うという人はほとんどいないでしょう。
ほとんどの人が住宅ローンを組むなど、月々の支払いで長きに渡り返済を行うことになります。
このローンを組むことになるのなら、実はある程度の収入で大丈夫。
実際に300万円ほどの年収でも十分一戸建てを建てることが可能になっているのです。
もちろん300万円という年収で、都心に大豪邸を建てることは難しい。
しかし昨今では低価格で住宅を提供しているハウスメーカーも数多く、年収が低くても夢の一戸建てを建てることができるようになってきているのです。
住宅購入は年収の何倍が目安?
既に家を建てた人、家の購入を考え調査している人の中で耳にしたことのある人もいるのではないでしょうか。
どの程度年収があれば家を購入することができるのか、その数字です。
「年収×5」
つまり年収を5倍した価格の住宅が適切な価格の目安ということ。
【目安として言われている5倍】
上で紹介している300万円という年収、この年収の家庭なら1500万円までの住宅が適正ということになります。
年収400万円なら2000万円、500万円なら2500万円、1000万円なら5000万円ということになりますが、もちろんこれはあくまでも目安。たんなる噂に過ぎません。
実際に1500万円を予算に住宅購入を考えるとギリギリになりがち、住宅購入とは言っても新築なら土地代も発生、そして諸経費なども発生するので建物本体だけの費用として考えておくと厳しいのが現状です。
【ローンの利用なら返済は2割】
年収の5倍という数字が存在するように、もう1つ目安として存在するのが「2割」という数字。
これは住宅ローンを利用した際に返済する額で、年収の2割を返済に充てるというのが目安の数字になっています。
もちろんこれもまた目安の数字ですが、この数字が増えるということはつまり毎月の負担が増えるということ。
上手く返済を続けながら、毎日の生活も確保できる数字として導き出された数字なのです。
では次は実際に住宅ローンを組む際のポイントを解説します。
ローンを組む際のポイントはある?
住宅ローンを組めば年収の低い方も気軽に住宅の購入が行える上に、上手くいけば住宅ローン控除を受けることにも繋がります。
ほとんどの人が利用する住宅ローンですが、実はいろいろな機関から住宅ローンを選択することができ初心者はどうすればいいのか迷ってしまうでしょう。
そこで住宅ローンを上手に組むポイントをいくつかご紹介、どこに気を付けるべきが上で紹介した年収も絡めて解説します。
ローンを組む際のポイント
【どの住宅ローンを選択するのか】
住宅ローンを組めるのはたった1つの機関とは限らず、いくつかの機関から自分に最適なものを選ぶことになります。
住宅ローン融資の第一歩として、まずはこの機関を選ぶところから始まり、「民間融資」「公的融資」「公民協調融資」という大きな3つから見る事になるでしょう。
実際に融資を受けるのはいわゆる「メガバンク」と呼ばれている三井住友銀行、また楽天銀行などの「ネットバンク」になります。
最も審査の通り安いものとしても知られているのでまずはこちらに相談するという人も多いでしょう。
審査基準はこの3つで大きく変わるので自分に合うものを探すのが第一歩であり大切なポイント。
住宅ローンとして有名な「フラット35」は公民協調融資になっています。
【返済負担率を抑える】
年収に合わせたローンの返済額が返済負担率。目安としては年収の2割が目安と言われています。
当然ですがこの数字が上がれば負担が増し、生活を圧迫することにもなってしまいます。
住宅ローンを組む際に自身の年収と照らし合わせて考えるのが必須。
「フラット35」では返済負担率は年収により30%以下、35%以下と定めているので安心です。
「フラット35」の返済負担率を見ても分かる通り、2割という数字はあくまで目安。
自身に合った返済ができるよう設定するのが大切です。
【個人年収で計算】
住宅ローンを組む際に基準となるのは年収。これを「世帯年収」とするのか「個人年収」とするのかで若干違いが生じます。
「個人年収」とはつまりそのまま個人の年収、世帯年収とは家族全員の年収となります。
注意が必要なのは「世帯年収」で、例えば夫婦共働きの家庭で世帯年収を基準にローンを組んだ場合。
妻の妊娠などで長期間休まざるを得なくなるということも想定されます。そうした場合、年収は大きく下がり、返済負担が増す年もあるはず。
そういった緊急時の対策として予め「個人年収」で設定しておくことも頭に入れておくといいでしょう。
実際にシミュレーションしよう!
ここで実際の年収による違いを見ていきます。年収により借入可能額や毎月の返済額も大きくなるので、年収別のそれぞれの金額を見て参考にしてください。
大まかな設定としては「金利1.2%」「返済期間35年」としています。
年収・借入可能額・毎月の返済額
『300万円』・『2571万円』・『7.5万円』
『500万円』・『4999万円』・『14.6万円』
『700万円』・『6999万円』・『20.5万円』
『1000万円』・『8000万円(貸付上限)』・『23.5万円』
年収が上がれば当然ですが借入可能額も増していきます。
ぴったり100万円単位の年収になるという訳ではないので、この数字はあくまで目安。
それでも自分がどの当たりまで借入可能になるのかを参考にできるのではないでしょう。
ではさらに詳しく年収と家の関係を知るために、物件に関する情報もお伝えします。
【年収別】どんな物件が買える?
年収別の購入可能な物件価格の紹介です。今回は比較的低い年収とも言える「200万円」「300万円」「400万円」という年収からご紹介します。
年収200万円で買える物件
200万円という年収なら25%までの返済負担利が適用。つまり1年で50万円という金額が返済の限度になるということです。
そして50万円を12か月で割ると4.16、これが毎月支払う金額の限度。
つまり4.16万円を毎月支払うことができる物件が年収200万円の家庭に適した物件ということになるのです。
さらにこの4.16万円をフラット35を利用し35年で借りる場合、1400万円という数字が出てくることになります。これが年収200万円で購入できる物件。
あくまで目安となる数字ですが、これよりも高い住宅の購入を考える場合には別途どこからか援助を申し出ることが必要になるでしょう。
『年収200万円で購入できる物件は、毎月4.16万円、35年で1400万円の物件』
年収300万円で買える物件
上記の年収200万円で計算したように年収300万円でも同じように計算をしてみます。
返済負担率は20%、もしくは25%という数字が目安ですが年収300万円なら30%という数字が一般的なようです。
300万円の30%ということは90万円。これが1年間の返済上限です。
90万円をさらに月数の12で割ると7.5万円。
フラット35を利用し35年間のローンとした場合90万円×35年で3150万円。3000万円代の住宅の購入が可能になります。
しかし既にお伝えしている通り、基本的な考えとして「年収×5」が理想的とされており、3150万円がかなり理想を離れていることが分かります。
そのことも考慮して年収の5倍となる1500万円、もしくは6倍の1800万円の住宅購購入を考えるべきかもしれません。
『年収300万円で購入できる物件は、毎月7.5万円、20年で1800万円の物件』
年収400万円で買える物件
400万円という数字は数年前の民間企業の平均年収と同じ程度の数字です。
個人収入なら充分一戸建てを購入できる年収ですが、やはり年収200万円と比べるといくつかの部分で数字に大きな違いが見られます。
まずは返済負担率。年収400万円以上700万円未満なら35%以下が適用されます。400万円の35%は140万円。これが1年間の返済限度です。
そして140万円を12か月で割った11.6万円が毎月の支払い限度になり、200万円に比べると倍以上の額になっていることが分かります。
この額で返済20年のローンを組めば2100万円、理想とされる年収×5にもはまっているのでこれが理想的な物件となるでしょう。
『年収400万円で購入できる物件は、毎月11.6万円、20年で2100万円の物件』
【年収別】二世帯住宅の生活はどう?口コミを紹介
現在注目が集まっている二世帯住宅、このタイプは年収別に生活環境等に違いはあるのでしょうか。
口コミからそれぞれの年収ごとの生活状況、金銭面などを見ていきたいと思います。
年収200万
悪い口コミ
シミュレーションを行ってみると、年収200万円では1500万円の住宅が精いっぱい。
それでも購入自体は不可能ではありませんが、何かとぎりぎりになってしまっています。
もう少し年収も含めて余裕のある買い物をできる方がよかったかなと少し後悔しています。
良い口コミ
年収200万円で二世帯住宅を購入できるのか、当初疑問に思っていましたが今では1000万円から購入できる物もあり問題なく建てることができました。
間取りも十分、総額も安く済んだので返済も問題なくこなせています。
年収300万
悪い口コミ
二世帯住宅という住宅は一般的な物と違い少し特殊なのか、やはり安く購入するのは難しそうです。
両世帯が快適に過ごせるよう考えた結果、親世帯から少しプラスして大きな物を購入することになりましたが、それはつまりぎりぎりで生活するということになってしまいます。
良い口コミ
借入限度額ぎりぎりまで粘って二世帯住宅を購入。
かなり粘ったのですが、これはひとえに親世帯、子世帯共に快適に暮らすためでもあります。
おかげで年収300万円でも快適な二世帯住宅を購入することができました。
年収400万
悪い口コミ
2000万円を超える借入額が可能と言われある程度の二世帯住宅が完成するかと思っていましたが、相談を続けるとそれも少し難しいのが分かりました。
家を取れば生活が圧迫される、返済のことを考えると少々の妥協が必要です。
良い口コミ
二世帯住宅でもメーカーによってはかなり安く提案しており、比較的良い住宅を見つけることができました。
価格は約2000万円、両家族の距離感を確保するため3階建ての二世帯住宅になりましたが非常に快適に過ごせています。
まとめると
年収によって探す家にも限度があり、やはり年収が低ければ低いほど最適な住宅を見つけるのに苦労するというのが悪い意見。
結局はある程度の妥協を必要とし、家と返済の仕方とを両立するのは難しいようです。
それでも現在では年収の低い家庭でも購入することのできる家は多く存在し、メーカーの選び方や考え方次第では決して不可能とは言えません。
家の構造や返済の仕方、どれか1つに要点を絞るというのが良い意見を見出している家庭の特徴と言えるでしょう。
年収はあくまで目安、二世帯住宅なら親世帯と子世帯で費用を折半するところも少なくないので、一般的な家庭よりもお得になることも多いようです。
まとめ
年収と家の関係は切っても切れないもの、しかし必ずしも年収に縛られるだけではないのが現在の住宅購入の在り方ではないでしょうか。
もちろん行き過ぎた計画は良いとは言えませんが、年収が低くても一戸建てを購入するのは可能。二世帯住宅であってもそれは変わりません。
年収をいきなり上げるというのはなかなか難しいかもしれませんが、年収に合った最適な家を見つけることはできるはず。
まずは自身の年収でのシミュレーションを行い、次のステップへ移りましょう。