クローゼットをさらに大容量にし、人が中で歩けるほどの規模にしたウォークインクローゼット。人気が集まる一方で、実はどう設計するべきがよく分かっていない、なんて人も少なからずいるようです。
ただ広いだけではなく上手で快適な使い心地を求めるのなら、他の部屋との兼ね合いも必要。ウォークインクローゼットに関する基本の情報から賢い使い方、そして様々あるタイプの選び方をご紹介します。
スッキリ収納!おすすめのウォークインクローゼットの広さと間取りは?
まずは最も基本的なウォークインクローゼットに必要な広さのご紹介です。ウォークインクローゼットはその中でさらにいくつかの収納スペースに分けられます。そうすることで整理整頓ができ、使い勝手も良くなります。
収納するのに必要なスペース
まずは基本中の基本、収納のために必要なスペースからです。
ハンガーの奥行
一般的なクローゼットのようにハンガーに洋服をかけて収納するのは、ウォークインクローゼットでも定番の方法。そのためハンガーをかける分だけの奥行はもはや基本中の基本で、一般的な奥行きとされている「55cm」の確保は必須です。
引き出しの奥行
クローゼットとは違い、中に収納棚をそのまま置くことができるのもウォークインクローゼットの良いところ。その際の引き出しの奥行も、ハンガーと同様の「55cm」が基本のサイズとなりそうです。
これは収納棚のような大きな家具だけでなく、比較的小物の物でも同様です。
動作に必要なスペース
次は実際に人が入って動くためのスペースになります。
通路のスペース
人が歩くとは言え、歩き回るわけではないので「60cm」のスペースがあれば十分です。この通路としてのスペースの適度な広さが実は難しいところで、広過ぎるとその分デッドスペースが増え、狭すぎては通るのに困難になります。
引き出しを開けるときに必要なスペース
収納棚を置く場所には「55cm」、通路に「60cm」のスペースを確保できれば、引き出しを開ける際にも邪魔になることはないでしょう。
【間取り別】ウィークインクローゼットの色々な種類を紹介!
実はウォークインクローゼットとは言っても、1つの種類だけがあるわけではありません。いくつかの種類が存在し、それにより設備の設置の方法など使い方が異なってきます。
物の置き方がガラっと変わることにもなり兼ねないので、自分の生活に合わせたウォークインクローゼットを使う必要があります。
I型
片側を収納スペースとしたタイプのウォークインクローゼットです。片側は通路として利用できるので、他のものに比べて開放感が高くなっています。
また通路スペースには姿見などを置くところもありますが、アイロン台を置くなど小さな作業場としても使うことができます。
Ⅱ型
両サイドの壁に収納スペースを確保した一般的なタイプのウォークインクローゼットです。片側のタイプに比べ収納量が増え、服など物が多くなる家庭でも安心して収納することができます。
その分整理整頓を行わないとゴチャゴチャとしてしまい、かえって使い辛くなることも考えられるので、使用には注意が必要です。
L型
壁2面をその名の通りL字に収納スペースとしたタイプです。完全個室として機能しているウォークインクローゼットではなかなか見ることのできないタイプで、L字型となる場合は開け放した空間に設置されることが多くなっています。
収納できる量は両サイドタイプとほぼ同じですが、角になる部分がデッドスペースになりやすく使い方に工夫が必要です。
コの字型
壁3面を収納スペースとして活用できるウォークインクローゼットの中でも最も収納量の多いタイプです。しかしL字型と同様に角のデッドスペースが発生してしまう可能性があり、さらにコの字となることでそれが2つに増えてしまいます。
このデッドスペースに対する工夫が必要で、収納スペースが増える事によって物が多くなり窮屈さが増してしまうのはデメリットの1つかもしれません。
【要】事前検討!ウォークインクローゼットの間取りは3畳以上が基本?
ウォークインクローゼット自体の大きさについても確認が必要。基本的な広さとして「3畳以上」とされていますが、ただ広いだけでは上手な設計とは言えません。そこにはある理由があるのです。
広過ぎては駄目な理由
衣類や小物、子供ならおもちゃなど実に様々な物を収納できるウォークインクローゼット。広ければ広いほど使い勝手が良いと思われがちですが、実は落とし穴もありました。
広過ぎれば物が収納できるのは確かですが、移動スペースが広くなるとその分実際に収納できるスペースも少なくなります。もちろん狭すぎると本来の大容量収納という利点が発揮できないのである程度の広さは必要になりますが、移動スペースなどのことも考慮する必要が出てくるのです。
基本は3畳以上
基本的なウォークインクローゼットの広さは3畳以上。これより小さいと無理に物を押し込んで、結果的に整理整頓も難しく快適なスペースとは言えなくなります。あくまで移動できるスペースがあってこそのクローゼットで、そこをないがしろにしてはただの物置と化してしまいます。
反対にあまりに大きすぎるスペースも考えものです。他の部屋に影響を与え、なおかつ無駄なスペースが発生してしまうことにもなり兼ねません。
基本は3畳以上。しかしもしもこの広さが取れない場合は、壁面収納を変わりに設置するなど代替案は存在します。同じ収納ならば壁面収納の方が容量が大きくなる場合もあるので、ウォークインクローゼットでどれだけの大きさが確保できるのかまずは確認してみましょう。
まとめ
憧れを持つ人も多いウォークインクローゼット。しかし上手に使わないとかえって無駄なスペースになることもあります。
快適で上手に使うには、やはり最初の間取りの設計からしっかりと考えることが必要です。憧れでただただ広く大きくするのではなく、どのように何を置くのかを前もって考えておきましょう。