タマホームには、大安心の家、木麗な家、元気の家、その他いくつかの商品があり、HP上ではそれぞれの商品コンセプトが紹介されています。ですが参考プランには、そのコンセプトを明確に感じられるようなものはなく、単に間取りのバリエーションを並べただけのような気がします。
それでも、自由設計の叩き台としては参考にはなるでしょうから、いくつかの参考プランを選んで特徴や注意点などをチェックしてみましょう。なお、タマホームではメートルモジュールを基本としていますが、910mmにスケールダウンしたものもあるようです。
- タマホームの間取り図の例
- 大安心の家:2階建て 4LDK/施工面積:118.56m2(35.86坪)/延床面積:110.00m2(33.27坪)
- 大安心の家:2階建て 5LDK/施工面積:158.56m2(47.96坪)/延床面積:145.50m2(44.01坪)
- 木麗な家:2階建て 3LDK/施工面積:120.16m2(36.34坪)/延床面積:114.00m2(34.48坪)
- 木麗な家:2階建て 3LDK/施工面積:139.96m2(42.33坪)/延床面積:131.00m2(39.62坪)
- 木麗な家:2階建て 3LDK/施工面積:143.50m2(43.40坪)/延床面積:135.25m2(40.91坪)
- 元気の家:2階建て 2LDK/施工面積:72.85m2(22.03坪)/延床面積:67.48m2(20.41坪)
- 元気な家:2階建て 3LDK/施工面積:83.61m2(25.29坪)/延床面積:78.66m2(23.79坪)
- タマホームの間取りに関するまとめ
タマホームの間取り図の例
大安心の家:2階建て 4LDK/施工面積:118.56m2(35.86坪)/延床面積:110.00m2(33.27坪)
出典:タマホーム
タマホームは他のローコスト住宅でも採用されている施工面積(工事面積)による価格表示を採用しています。このプランでは、実質の床面積(110.00m2)に対して施工面積(118.56m2)は、約1.08倍の広さになっており、坪単価でも8%ほど安く表示されることとなります。
このプランでは、玄関ポーチ部分とバルコニー部分の計8.56m2が実質の延床面積に加算されています。
プラン上の特徴としては、1階の和室は主寝室としては狭すぎますので、リビングの延長として見る方が良いのでしょう。
ですが、建具や壁が邪魔で中途半端な繋がり方だと思います。また、1階の収納スペース位置は家事作業上では使いにくい上に少なすぎます。
商品名は大安心の家となっていますが、それらしいのは長期優良住宅が標準仕様とされているところでしょうか。ですが、長期優良住宅は、他の商品でも標準仕様としているものがありますので、コンセプトがよくわかりません。間取りからは日常生活に不安を感じてしまいます。
大安心の家:2階建て 5LDK/施工面積:158.56m2(47.96坪)/延床面積:145.50m2(44.01坪)
出典:タマホーム
このプランにも1階に和室がありますが、この場合は欧米スタイルにあるヌック的な使い方ができるもので、使い勝手はいいと思います。1階の収納スペースは十分とは言えませんが、最小限は確保されていると思います。
*上記で間口の10mは2階の北東部の洋室6帖の東面を含んだ寸法です。
また、このプランは省エネ地域区分の3〜7の大安心の家で紹介されていますが、地域区分3に記載されている同プランの面積表示は間違っています。これは、企業の信頼性を損なうものでしょう。
木麗な家:2階建て 3LDK/施工面積:120.16m2(36.34坪)/延床面積:114.00m2(34.48坪)
出典:タマホーム
このプランは、限られた延床面積の中で各部屋にメリハリをつけた内容となっています。収納スペースや家事動線もよく計画されていると思います。
できれば、バルコニーの奥行きを跳ね出しなどで大きくする方がいいと思います。現状では、エアコンの室外機置き場、や小さなプランター置き場くらいにしかならず、あまり実用的とは言えません。
奥行きを0.5m大きくするだけでその効果はコスト以上の価値が出るはずです。
木麗な家:2階建て 3LDK/施工面積:139.96m2(42.33坪)/延床面積:131.00m2(39.62坪)
出典:タマホーム
全体的には、動線や間取りのバランスなどでいいプランだと思いますが、1階の収納スペース不足な点が残念なところでしょう。
掃除機や家事道具などは階段下の物入だけでは不足です。いいところは、キッチンとダイニン、そしてリビンとの繋がりが一層広がりを感じさせるところです。また、リビングから見える階段は家族のコミニュケーションを意識したものだと思います。
木麗な家:2階建て 3LDK/施工面積:143.50m2(43.40坪)/延床面積:135.25m2(40.91坪)
出典:タマホーム
このプランはいいですね。ただし、畳コーナーの利用形態を具体的にイメージしておかないと、無駄なスペースとなる恐れもあります。
図面上からは、床が一段上がっているのかフラットなのかは分かりませんが、その選択も重要なポイントになる気がします。居室の大きさやクローゼットも十分で、やはり現在の標準的な家族構成では40坪前後が必要だと感じさせるプランです。
元気の家:2階建て 2LDK/施工面積:72.85m2(22.03坪)/延床面積:67.48m2(20.41坪)
出典:タマホーム
元気な家シリーズでは比較的小さな延べ坪のものが多く、そのため部屋数を取りやすい910mmモジュールプランが多用されているようです。
このプランでは個室が2部屋ですから、家族構成としてもミニマムでしょう。全体的にはやはり、狭い印象を持ちますが、通路部分を最小限にするなどでスペースの有効活用の工夫がみられ、狭小間口プランと言えるでしょう。
元気な家:2階建て 3LDK/施工面積:83.61m2(25.29坪)/延床面積:78.66m2(23.79坪)
出典:タマホーム
このプランも910mmモジュールプランで上のプランよりも1部屋増えていますが、1階には収納と呼べるようなスペースがありません。一体掃除機などの家事道具は何処に収納するのでしょうか。
タマホームの間取りに関するまとめ
タマホームでは各商品ごとに参考プランを用意していますが、冒頭で述べたようにHP上での商品紹介にあるようなコンセプトを感じさせるものではありません。
ですから、商品選びよりもプラン選びを優先させた方がいいでしょう。その際に、延べ床面積の制限で必要な間取りが難しい場合には、基本のメートルモジュールから910mmにスケールダウンすることも有効だと思います。また、参考プランを叩き台にして、収納の追加やバルコニーのアレンジなどを加えて、ユーザーの望むコンセプトにすることが必要だと思います。